回教国家パキスタン

回教国家パキスタン ユネスコの自然科学教育関係の仕事で,4月の1ヶ月間,パキスタンに滞在する機会を得た。カラチ経由で,まだ新緑の美しいパキスタンの首都イスラマバードへ直行した。イスラマバードは,森の中に新たに建設された都市で,近くの旧都市ラワルピンディと全く趣を異にする。4月は春から夏への変わり目の時節で,初旬には朝夕涼しい位であったが,じきに暑くなり始め,下旬には38度を超える日々が続いた。 街には日本車が多く走っている。日本人が世話をしているという庭園もあり,仕事の合間の遠足で訪問したインダス河上流のダムでは日本製の発電機が稼働中であるなど,日本との関係も少なからずある。 「アッサラーム・オ・アレコム(あなたに平和あれ)」,これが挨拶の言葉である。重々しいが,何と格調が高い言葉であろうか。街中には大小のモスクがいたる所に...

ユネスコ-APEID「パキスタン理科教育巡回講師団」に参加して

ユネスコ-APEID「パキスタン理科教育巡回講師団」に参加して 1985年3/31から5/2まで,文部省の依頼でユネスコの仕事である「パキスタン理科教育巡回講師団顧問」(Adviser for Mobile Team in Science Education-Pakistan)として,パキスタンに赴任した。私にとってイスラム国を訪問するのは初めての経験であり,イスラム国とはいかなるものであるかを体験した。私は,オーストラリアのVictria 州教育省のDale博士と一緒だった。発展途上国を巡回して、理科教育を推進するためのアドバイスをすることが目的であった。 このプログラムは,アジア地域教育開発計画(APEID:Asian Programme of Educational Innovation for Development...