「プラズマ物理学の基礎」
「プラズマ物理学の基礎」 V.E.ゴラント,A.P.ジリンスキー,I.E.サハロフ著,下條隆嗣・田井正博(共訳),現代工学社,1986. 本訳書の出版が企画された当時, ロシア(旧ソ連邦)では,プラズマ物理学の研究が大きな進展を見せていた。磁場閉じ込め方式の核融合実験炉トカマクは当時世界の最先端であったし,理論面でもLeontovich の編集になる“Reviews of Plasma Physics”というシリーズものの著作や,Kadomtsev の“Plasma Turbulence”などの本が次々に刊行されていた。これらは,次々にロシア語から英訳されていた。 ゴラントらの表題の原著は,プラズマ中の波動に着目して書かれたKadomtsev の本とは対照的に,プラズマ中の粒子衝突を前面に出したロシア語の本である。「プラズ...