ユネスコ-APEID「パキスタン理科教育巡回講師団」に参加して

ユネスコ-APEID「パキスタン理科教育巡回講師団」に参加して 1985年3/31から5/2まで,文部省の依頼でユネスコの仕事である「パキスタン理科教育巡回講師団顧問」(Adviser for Mobile Team in Science Education-Pakistan)として,パキスタンに赴任した。私にとってイスラム国を訪問するのは初めての経験であり,イスラム国とはいかなるものであるかを体験した。私は,オーストラリアのVictria 州教育省のDale博士と一緒だった。発展途上国を巡回して、理科教育を推進するためのアドバイスをすることが目的であった。 このプログラムは,アジア地域教育開発計画(APEID:Asian Programme of Educational Innovation for Development...

私の大学教員生活

私の大学教員生活 エピソードや主な動きを紹介したい。 助手時代 1969年春,修士課程修了後,学校教員も採用数が少ない就職難の時代であったが,幸い,都や近県の高校教員採用試験を受けて合格し,採用の打診もいくつか頂いていたが,恩師の後藤捨男先生から助手になるよう言われて,同年4月から学芸大の物理学教室の助手に採用された(当時は助手の公募制は無かった)。 当時,物理学教室には3人の助手枠があった。当時の助手は,学生の物理実験の授業の手伝いが主なもので,時間的な余裕があれば,少し研究もできた(実際のところは,授業などがある日中は研究はほとんど無理で,午後5時過ぎから研究時間を確保できた)。助手は,学校教員になる前に,さらに実力を養うための短期的な職員とみなされていたようで,2,3年在職後に学校へ就職してゆくのが通例だった。 当時の...

物理学から理科教育学への転進

物理学から理科教育学への転進  私は1980年に東京学芸大学の物理学教室の助手から講師に昇任させていただいたが,1984年に同大の理科教育教室に移籍した。私はなぜ物理学から理科教育学へ転身することになったのか。このことに関して,在職中,広島大にいらしていたフィリッピンの大学のMagno先生の訪問を受けて,表題のことの調査を受けたこともある。 このことを語ろうとする時,当時学大の物理学教室におられた後藤捨男先生と鳥塚一男先生に触れないわけにはいかない。両先生との出会いが私の移籍を主としてバックアップしたといえる。特に後藤捨男先生のことは,別のプログ「恩師を偲ぶ-後藤捨男先生」に記すことする。 学大の理科教育教室創設に大きく貢献された先生は,私の知る限り,この両先生と古谷庫三先生であると思う。古谷先生は生物科所属で生物科の主任も...

東学大の理科教育学教室-創生期の苦しみ 

東学大の理科教育学教室-創生期の苦しみ 東学大の理科教育学教室は,現在では教科教育学を教育・研究する分野の一翼として学内ですっかり定着しているが,発足当初は生みの苦しみがあったと思う。 私が学芸大の物理学助手に採用(1969)されて数年後のことであったと思うが,第三部(現在の自然科学系)に理科教育教室が設置する動きがでてきた。発足当維の状況は,はっきりとは覚えていないが,いろいろなご苦労があったことは確かだ。なお,教室の名称は,以後数回揺れ動いた。最初は理科教育教室だったが,後に理科教育学教室になった。 後藤捨男先生が物理学教室の主任か部長職にお着きで,私が助手の頃に,こうした動きがでてきたと思う。後藤捨男先生と生物学教室主任の古谷庫三先生が,設置について頻繁に相談されていたのを覚えている。 理科教育教室の発足当初は,2,3...

恩師を偲ぶ 後藤捨男先生

恩師を偲ぶ 後藤捨男先生 後藤捨男先生との出会いが私の一生を決めたように思う。 後藤先生には,学部時代の指導教官と卒業研究,修士課程の指導教官として御指導を受けた。さらに私は助手として御採用頂き,研究面でも御指導を受け,後藤先生には永きにわたりお世話になった。私が博士学位(論文博士)を取得できたのも後藤先生のご指導のお陰である。ご期待に添えなかったことも多々あり,思い出すと申し訳なく思う。 先生は1980(昭和55)年4月に定年退官されたが,長年にわたって,物理学の研究・教育,科学教育の振興等に努められ,また,教師養成 に関して日本の教育界に多くの貢献をなされた。大学運営にも大きく貢献された。先生の業績を簡単にご紹介する。 後藤先生は, 学術分野においては,電磁波理論,素粒子研究,核融合研究 および  科学教育(理科教育)の...

慢性腎臓病闘病記【2】-人工透析生活の実際 <2020.03.01記>

慢性腎臓病闘病記【2】-人工透析生活の実際 <2020.03.01記> 2-1.透析生活に入る―透析生活の概略, 2-2.透析時間の過ごし方, 2-3.ドライウェイトと食塩・水分, 2-4.透析中に起こること, 2-5.透析生活に入ってからの体調管理法, 2-6.食事・飲水の管理-塩分・カリウム・リンの摂取, 2-7.体重と血圧, 2-8.検査・服薬, 2-9.サプリなど, 2-10.尿量と除水量, 2-11.透析期間内の血液検査結果の変遷, 2-12.心房細動, 2-13.血管拡張手術, 2-14.薬の副作用による発赤, 2-15.運動・長距離散歩・ハイキング, 2-16.ストレスの取り方, 2-17.血管狭窄の再検査と再拡張手術, 2-18.保険証等の変更(後期高齢者), 2-19.緊急時の対応, 2-20.透析開始から...