不思議な夢-飛んだ魂(1) ボストン科学博物館

不思議な夢-飛んだ魂(1) ボストン科学博物館 中年の頃,米国のBOSTONにある科学博物館(Museum of Science, BOSTON)に初めて立ち寄る機会があった。米国行きがきまったのが約1月前,その1,2週間後にある夢をみた。 飛行機が島のようなところに不時着したが,無事であった。 辺りは草や木が生えているが,原っぱに近い。細い道があり,両側に毒蛇らしき蛇が数匹いる。しかし,蛇は襲ってくる気配はなく,恐怖感は不思議と感じない。辺りを探索すると,近くに海があった。岸壁が切り抜かれたところに洞窟のような大きなくぼみがあって,そこに大きなインデアンのトーテムポールのようなものが数本立っている。「どうしてこんなところにトーテムポールがあるのだろう」と夢の中でいぶかっている自分がいる。 数週間後にBOSTONの科学博物館...

ケニア訪問記 (2006)

竹中生徒会誌「潮」2006 ケニア訪問記 校長  下條隆嗣 仕事でこれまで北米,ヨーロッパ,アジアのいろいろな国を訪問したが,昨年(平成17年)12月12日~18日まで,初めてアフリカのケニアを広島大学教育開発国際協力研究センターの教授二人と共に訪問した。この時の体験談は,全校集会で「土産話」として披露したが,多少追記してここに記させて頂く。 今回の出張の仕事は,広島大学とケニアのケニヤッタ大学が合同で開催する小さな会議(ワークショップ)への参加であった。これは,日本の国際協力機構が実施している発展途上国の理数科教育の改善事業について,教室レベルの効果をはかる評価法を検討するもので,日本,ケニア,ガーナ,南アフリカ,フィリッピン,インドネシアから関係者が集まって催された。私は,インドネシアに長年関わってきた関係で,インドネシ...

新しい生き方-白秋歌碑を見て思う (2008)

〔生徒会誌「潮」2008〕 新しい生き方-白秋歌碑を見て思う 学校長 下條隆嗣 昨年の年末に休養のために岐阜県恵那市にある恵那峡を訪れた。恵那峡ダムの近くにある「さざなみ公園」で北原白秋の歌碑に出会った。 薄のにしろくかほそく立つ煙 あわれなれとも消すよしもなし 「ススキの野原にうつすら細い煙が立っている。きっと火がついているのだろう。ススキが燃えてしまつてかわいそうだが,消すこともできずどうしようもない」という意味であろうか。 白秋は幾度となくこの地を訪れたようだが,この歌を詠んだのは,ダムができる前かできた後かはわからない。ダムができる前はきっと川岸のあちこちにたくさんのススキ野が広がっていたのであろう。しかし今の満々と水をたたえた川の川辺にも枯れたススキの群落が小規模ながら点在している。 私はこの歌に出会って胸がキュン...

「和の精神」と教育 (2005) 

(附属竹早中学校後援会 創竹会 広報誌原稿2005) 「和の精神」と教育 学校長  下條隆嗣 本年も夏休み期間中に,国際協力機構(JICA)の初中等理数科教育の仕事でインドネシアにきている。プロジェクト開始前の調査に参加した頃から数えて10年ほど過ぎ,この国への出張も10回を下らない。当初は,ジャワ島内の3大学における理数教育学部の教員養成支援の仕事(学部の実験設備等の基盤整備や大学生用の教科書開発など)が主であったが,4年前程から,大学と学校とが協力して授業研究(「研究授業」を含む)の普及に力を入れてきた。その結果,最近ではこちらの大学教員も学校の教員も一緒になって,授業研究に熱心に取組むようになってきた。こうした活動を通して思うことは,日本において,授業研究は,授業の質の向上を通して,日本人の子どもの能力を引き出し,子ど...

これからの時代に生きる力 (2005)

〔竹早中学校広報委員会報「潮51」2005〕 これからの時代に生きる力 学校長    下條 隆嗣 二十一世紀に入って,早や五年が過ぎた。新しい世紀に入った頃は,二十一世紀の世界はどうなるか,どうすればよいかなど,ジャーナリズムでも取り上げられたり,いろいろな学会などでもよく議論されたと思う。しかしこの頃はあまり,そうした動きを聞かない。熱し易くさめやすい国民性のゆえかもしれない。しかし,これは重要な課題で,じっくりと追求すべきであると思う。 明治以降,日本は工業化社会に向けて走ってきた。しかし今は脱工業化社会あるいは情報化社会となり,これからは知識社会がくると言われている。一方,石油資源の枯渇,水不足,大気汚染など,現代人の生活の負の遺産が地球規模で現れている。地球環境を保全しつつ経済発展を実現するという「持続可能性」という...