慢性腎臓病闘病記【4】-排塩サプリの活用,コロナ対策 

<2021.01.17記>

4-1. 第3回目の血管拡張手術, 4-2. 令和3年新年を迎えて, 4-3. 体重増加制限1日空け3%以下への挑戦-排塩サプリとの出会い, 4-4. 排塩サプリの効果, 4-5. 食品重量の計量-栄養表に食品重量欄を追加, 4-6. 新型コロナ第3波を受けてのクリニックの予防策

4-1. 第3回目の血管拡張手術
2020年9月中旬より,透析の穿刺が1回目でうまくゆかなくなることが続いた。当時,穿刺は左腕の手首近くのシャントの少し上と,肘より上の腕の2ヶ所になされていた。
クリニックの超音波検査で,シャントの上方の腕と肘より下の部分の静脈が10cmから15cmにわたって細くなっていて,シャントへの血流が悪くなっているようであった。2020年10月14日の午前,立花クリニックのご紹介により都立大久保病院の外科で診察を受け,同日午後に「経皮的シャント拡張術・血栓除去術」の施術を受けた。この時,医師の先生から,シャントの拡張手術は3ヶ月毎が目安であると聞いてびっくりした。筆者の場合,これまでは2018(H30).01.19に,都立多摩総合医療センターにて内シャントを設置してより,

• 2018(H30).10.22 都立多摩総合医療センターにて血管拡張手術,
• 2019(R01).6.19 都立多摩総合医療センターにて血管拡張手術,
のように,血管拡張手術は8, 9ヶ月毎であったからだ。今回は,2回目の拡張手術から16ヶ月も経過していたから,今後は血管の良好な状態が3ヶ月しかもたないのかなと心配になった(恐らく,もっと長期間もつと思う)。
今回の手術では,以前のように肩の神経叢の麻酔は行わず,シャント近くの腕に麻酔薬を直接注入して進められた。手術は1時間ほどで終了した。3ヶ月に状態の確認に再診を受ける。

4-2. 令和3年新年を迎えて
2018年3月に透析生活を開始してから2度目の正月を迎えた。正月の過ごし方については, 立花クリニックの管理栄養士さんから,おせち料理の栄養表付きの注意が書かれたパンフを頂いている。おせち料理は塩分が強いので,できるだけ控えなさいということである。
クリニックの壁に貼られた新年のあいさつ文には,「新年あけましておめでとうございます。・・・(中略)・・・。皆様もこれまで以上に自己の健康管理に気をつけて共にがんばってまいりましょう 令和三年元旦 院長 立花健」とあった。慢性腎臓病は,自分で健康管理に気をつけることがいかに重要であるか,改めて想いを深くした。今年も,時々面倒に感じることもあるが,パソコンを活用したこれまでの体調管理法を続けようと思う。

4-3. 体重増加制限1日空け3%以下への挑戦-排塩サプリとの出会い
これまで,透析後の体重増加の上限は,1日空けの場合は体重の3%,2日空けの場合は体重の5%と思ってきた。体重60kgの場合は,それぞれ,1.8kg,3kgである。これらは上限値であるので,体重増加はこれらより低ければ低いほどよいとのことである。このことは,都多摩医療総合センターに入院中に医師からも伺ったし,立花クリニックの管理栄養士さんからも聞いた。この基準の由来が気になって,管理栄養士さんに伺ってみたところ,この基準は全腎協(一般社団法人 全国腎臓病協議会)のホームページにでていることがわかった(「全腎協 水分」などで検索できます)。
それによると,1日空けの場合は,ドライウェイトの3%,2日空けの場合は同5%であることがわかった。自分の体重の3%,5%ではなく,ドライウェイトの3%,5%なのだ。すなわち,食物に含まれる水分量と飲水量の和が問題なのだ。
筆者の場合,ドライウェイトは現在60.6kgであるので,1日空けの場合の体重増加の上限は1.8kgである。飲水量の上限は0.8L,すなわち0.8kgとされているので,食物から摂る水分の制限は重量で1.0kgとなる。
2日空けの体重増加は,なぜ1.8kgの2倍の3.6kgにならないのかと思うが,次のように食事回数を考えればよいのではないだろうか?
筆者の場合,透析は朝から行うので,透析後の食事は昼食から始まる。ある日の透析後から次の透析前まで1日空けの場合,透析日の食事が昼食・夕食,翌日の食事が朝食・昼食・夕食,翌翌日(透析日)の食事が朝食で計6回になる。2日空けの場合の食事は,これに翌々日の食事が昼食・夕食,翌翌々日(透析日)の食事が朝食の計3回が追加されて計9回となる。1日空けの場合の体重増加の上限1.8kgであるから,食物に含まれる水分と飲水量は,それらが朝・昼・夕食で同じであると仮定すると,1食当たり1.8kg÷6=0.3kgということになる。2日空けの場合は,これらは0.3kg×9=0.27kgとなるので,およそ3kgとなる。
ところで,上に述べた全腎協のホームページには,「体に入る水」として,食物中の水分(1日3食でおよそ1000~1200mL),代謝水(200~350mL),飲み水の3者が,また「体から出る水」として,尿,大便(約100mL),呼吸や汗(現体重×15で計算,私の場合900mL程度)と紹介されている。
この説明に基づいて,筆者の場合およその水分増加を求めると,入る水は1100+250+1000=2350mL,出る水は10+100+900=1010mLで,差し引き体に残る水は,1340mLである。すなわち,水分の貯留は1.34kgであるので,1.8kg以下で合格ということになる。しかし,これをもう少し減らして,透析の脱水による心臓への負担からくる疲労を軽減したいと思う。ちなみに,筆者の場合,食物と水分を合わせた体重増加は,1日で平均2.20kgなので,2.20-1.34=0.86kgが水分を除いた食物の1日当たりの重さということになる(少し多い気がするが・・・)。
筆者にとって,飲水量摂取1日800mL以下および塩分摂取1日6g以下という制限は,とても厳しい基準であって,過去およそ2年半の透析生活において,この基準は守れなかった。実際の体重増加は,1日当たり,飲水量は平均で1kg(1L),食事量(水分含む)は朝昼夕間食併せて平均で1.2kg,計2.2kg程度であるので,1日空けの体重は0.5kg超過している。2日空けの場合は,平均で計4.0kg前後の場合が多く1kg程度超過している。上に述べたように,水分だけ考えると,増加は1.34kgであって基準内であるが,これが少なければ少ないほどよい。
塩分については,12g/日位になっている日が多い。特に外食や旅行に行った時の食事では塩分が24g/日以上になることもある。その結果,のどが渇いて,水分を多くとってしまう(現状では1000mL程度の日が多い)。最近は,尿はほとんどでず,1日当たり2mLが普通で,時々10~20mL程度出る程度であり,摂った水分はほとんどそのまま体に溜まってしまう(不感蒸泄などはあるが)。
しかし,外食には食事をつくる時間がなかったり疲労でつくれなかったり必要にせまられて行くことも多いし,また旅行はある程度人生の愉みとしてやめるわけにはゆかない(2020年1月以来の新型コロナの蔓延で,廉価なバス旅行がほとんど無くなってしまったのは残念であるが・・・)。
その結果,透析日には透析の後,ぐったりして数時間動けないほどの疲労に苦しんでいる。この疲労を何とか軽減できないかと,これまで悩んでいた。もし,軽減されれば,透析から帰宅後,買い物に出かけたり,好きなことをやったり,活動の時間が増え,生活の質の向上が期待できるからだ。こうしたことから,食事と共に摂取した塩分を便として排出するサプリはないものかと,以前から渇望していた。
そうした内,2010年11月中旬にテレビの宣伝で排塩サプリの存在を知った。それは,塩分の他,中性脂肪なども低減する商品であった。そこで,排塩のみに特化したサプリは無いものかとネットで調べてみると,すでに2018年2月にそうした商品が発売されていたことを知った。それは,熊本大学とある会社が共同開発した「食事塩分排出サプリ」(以下,排塩サプリと呼ぶ)である。同様の商品はいくつかの会社から何種類か販売されているようだが,私は,トイメディカル社の「デルソル (Del Salt)」を購入した。以前より,こうしたサプリを渇望していたので,つくづく,その存在をもっと早く知っておけば良かったと思う。早速NETで購入し,2020年11/17から服用を開始した。この排塩サプリの服用開始を機に,体重増加3%制限へ挑戦することにした。
このサプリの主成分は,昆布の仲間のオオウキモから抽出した食物繊維のアルギン酸塩である。アルギン酸塩と食事に含まれる塩分(Naイオン)が胃液中で反応し(イオン交換反応)て,ゲル状のアルギン酸ナトリウムができる。このゲルは消化酵素によって分解されずに腸に到達して便と共に排出される。結果として,体内に吸収される塩分が減り,血中塩分濃度も低下する。血中塩分濃度が低下すれば,のどの渇きを感じることも減り,飲水量も減り,体に溜まる水分も減り,体重も減り,血圧も低下するだろうと思う。血圧が下がれば,心臓への負担も減るであろう。そして,それは長生きにつながるだろう。
私が,このサプリが素晴らしいと思うのは,一つ目に,ほとんどカリウムを含んでいないということである。従来から排塩サプリというものはあったようだが,従来のものは,カリウムを多く含むものであったらしい。健常な方は,体内からカリウムを尿でどんどん排出でき,また,カリウムを摂るとナトリウムが尿で排出される。しかし,以前のブログにも書いたが,慢性腎臓病患者は尿がほとんどでないのでカリウムを排出できず,それが体内に過分に溜まると不整脈や心筋梗塞を起こす恐れがある(カリウムは透析で除去されるが,非透析日には体内に貯留する)。こうした点から,この排塩サプリは安全である。二つ目に,これも以前のブログに書いたが,カリウム吸収材のケイキサレートは服用すると便秘に悩まされ,「食物繊維」を共に服用して便秘から免れていた。この排塩サプリは,食物繊維の一種である。食物繊維は過分に服用すると,お腹がゆるくなる。すなわち,適当量を服用していれば,便秘にならない。ただ,アルギン酸が鉄と結合すると,貧血が進む可能性もあると思うので,今後,毎月1度の血液検査結果における赤血球数の変化に注目してゆきたい。
前にも書いたが,筆者は,透析生活に入る前の末期腎不全状態の2年間(2016年春~2018年春),タンパク質制限1日30g,塩分制限1日6g以下という厳しい透析食生活を強いられた(『慢性腎臓病闘病記(1), 4.血圧管理と食事療法の10年,および 9. 腎機能の「緩慢な悪化モード」から「急速悪化モード」への転換-透析食に耐えた2年間』参照)。
もし,この時,このサプリが存在していたら,少なくとも塩分だけでも制限が緩和することができて,もう少し普通の食事を摂れ,ストレスが半減とまではゆかなくても,かなり減らせたと思う。
今は,このサプリは,飲水量を減らして透析後の疲労を軽減するために服用する。このサプリの服用によって飲水量が基準値(1日0.8L)内に納まるようになることを期待したい。

4-4. 排塩サプリの効果
こうして,2020年11月17日より,排塩サプリの服用を開始した。もちろん,このサプリの服用については医師の先生に相談したが,先生は袋に印刷されている成分をご覧になって副作用は問題なさそうだということであった。
その服用量は,塩分の取り方や血圧の低下状況を見ながら調整することにした。塩分の多い食事をとった場合には1回2~3錠,塩分が少しの場合は0~1錠というように調整してきた。このサプリは1錠30数円する。1日5錠も服用すると150円以上かかるので,もっと服用したいのであるが,できるだけ節約している。
塩分の多い食事(回転寿司と味噌汁など)をとった後,排塩サプリを服用してみたところ,食後ののどの渇きはやはりいつも通り強く起こった。しかしそれは永く続かないようで数時間で解消される印象である。その結果,飲む水分はいつもより減った。以前は,のどの渇きがもっと長時間にわたって続き,何杯もお茶を飲むのが通例になっていた。このことから,やはり効果はあるようだ。自分に合った服用量は,今後,ある程度の期間服用して探っていきたいと思う。また,血圧や1日の飲水量の変化がみられるかどうか,長期にわたって見て行きたいと思う。また,このサプリの服用のタイミングについては,食後服用するよりも,食事中に服用すると,より一層効果的であるように思われる。この点についても,今後,ある程度の期間服用して確認したい。
2020年の11/17からデルソルの服用を開始してほぼ2ヶ月経過した。これまでの服用の効果を振り返ってみたい。服用の効果は,11/17以前の2ヶ月間と以後2ヶ月間における飲水量と血圧の変化でみてみたい。
まず,飲水量について,排塩サプリ服用を開始した2020年11/17の前後2ヶ月間の週間平均値を見たものが,図4-1のグラフである。

     図4-1 飲水量の変遷 週間平均(2020 11/17前後2ヶ月間)
縦軸は飲水量,横軸は日付(横軸の中央が排塩サプリ

服用開始日2020 11/17に当る。

図4-1のグラフから明らかなように,飲水量は排塩サプリ服用後,若干低下傾向にある。飲水量が1日当たり800mL以下の日数でみると,2020年の9/17~11/16間では21回,同年11/17~2021年1/16の間では19回で若干減ったがほとんど変化は無かったといえるだろう。
また,11/17よりの服用開始前後2ヶ月間の1日当たりの飲水量の平均を取ると,服用前が1091mLから服用後の1014mLと若干減少し,やはり改善傾向を示している。このように,大きな変化は見られなかったが,少しずつ良い方向へ向かっているようだ。

次に,血圧については,図4-2におよび図4-3に,排塩サプリ服用開始前と後の各2ヶ月間における平均血圧の変遷をグラフで示した。

       図4-2 排塩サプリ服用開前2ヶ月間における平均血圧の変遷

        図4-3 排塩サプリ服用開後2ヶ月間における平均血圧の変遷

図4-2図4-3のグラフを比較してみると,①血圧が下がるという効果はまだ見られない。ただし,②血圧の変化が規則的になってきた。血圧は,気温,飲水量などに影響されるが,服用前は,血圧の日ごとの変化が大きく不規則であった。しかし,服用後は,この変化が小振りになり,規則的になってきたことがわかる。ただし,以下の表4-1に示すように,排塩サプリ服用前後2ヶ月間の血圧の平均値は,服用前後の2ヶ月間で,驚くほど変化が少なかった。

         表4-1 排塩サプリ服用前後2ヶ月間の血圧の平均値

ここで,BHPはBlood Pressure High(収縮時期圧),BPLはBlood Pressure Low(拡張期血圧)を表す。これらは日ごとに変動するが,表4-1はそれらの2ヶ月間の平均値を示したものである。
次に,起床後20分以上経過した後,朝一番ではかる血圧である早朝血圧についても,排塩サプリ服用開始前後2ヶ月間の変遷をみてみる。早朝血圧は,気温と体内に貯留している水分量(体重)の影響がはっきり出ると思う。
これまで,透析日の朝は,前回の透析日以降に体にたまった水分のために,体重も増え,早朝血圧は非透析日のそれに比べて増加した。減塩の結果,水分摂取が減り,体重増加が少なければ,透析日の早朝血圧は,これまでよりも下がるはずだ。血圧を指標として効果をみてみたい。

        図4-4 排塩サプリ服用開前2ヶ月間における早朝血圧の変遷

        図4-5 排塩サプリ服用開後2ヶ月間における早朝血圧の変遷

図4-4図4-5の早朝血圧の変遷のグラフから明らかなように,期待に反して両者に大きな変化はない。しかし,服用開始後には,早朝血圧の変動の幅が少しばかり小さくなったし,血圧170mmHg以下の日数が増えてきた。
表4-2は,排塩サプリ服用前後2ヶ月間の早朝血圧の平均値である。前後2ヶ月間でほとんど変化が無い。早朝血圧の平均値は服用後の2ヶ月間の方が服用前より若干上昇している。これは,気温が下がってきたことがサプリの効果より上回ったせいではないかと思う。

         表4-2 排塩サプリ服用前後2ヶ月間の早朝血圧の平均値

以上にように,少しずつ効果は現れていると思う。ただし,11/17以降,これまで,本サプリを1日当たり0~6錠,平均毎日3錠服用していた。上に述べた効果はこの服用錠数によるもので,もっと多く服用していれば効果はもっと上がっていたかもしれない。
排塩サプリの効果の全体的な印象は,西洋薬のような劇的な効果はないが,漢方薬のようにじわりじわりと効くという印象である(食品から抽出した成分が主であるから当然であるが・・)。
これは単なる印象であるが,体内に貯留している塩分量のレベルが少しずつ下がりつつあるように感ずる。そうなれば,体は低塩分でも我慢ができ,飲水量も減らせることになる。私は,このサプリが手放せなくなった。
慢性腎臓病患者には,特別割引制度があって少しでも安く購入できるようになり,あるいは医薬品として認定していただき,病院で処方されるようになってほしいものである。

4-5. 食品重量の計量-栄養表に食品重量欄を追加
暴飲暴食,過食,過飲などを避けて,1日空けあるいは2日空けの水分による体重増加分をできるだけ制限内に収まるようにするために,食品の重量を知る必要があると気づいて,最近,自作の栄養表に食品の重量も記載するようにした(慢性腎臓病闘病記(1)では,栄養表にすでに重量欄を設けてあるが,実際のところ,当初は重量欄を設けていなかった。便宜上,それを付け加えておいたものです)。各食品のPSCK値(蛋白量,塩分量,熱量,カリウム量)の欄の次に重量欄を付け加えた。
総菜などの食品では栄養成分表記が100gのものもあり,その面からも食したものの重量を測る必要がある。バナナなども大きさでかなり重量が異なるので,重さを測ると正確なPSCK値か求められる。このように,できるだけ食品の重さを,食事の際にできるだけ測るようにした。これは毎日とはゆかないが,たまに行う。そのため,小型の軽量はかり2kgと1kgの小型のデジタルはかりをおのおの一つずつ購入した。前者は自宅で用い,食品の重さの計量とともに,衣類の重さの計量にも用いる。後者はカバンに入れて店舗内で使う。ファストフード店でハンバーガーの重さをはかったりする。
これらのデータが蓄積してゆけば,朝・昼・夕・間食それぞれの食事量と飲水量の重量の平均が求められるようになるだろう。そしてそれは,体重増加制限の基準に近づくために参考になると思う。ただし,食品に含まれる水分量を求めることはできない(「女子栄養大学出版部,食品成分表」を参照すれば,食品の水分も出ているので計算できるが,そのためには,複合食品の各成分食品の量を正確に知らねばならず,それはとても面倒でできない)。

4-6. 新型コロナ第3波を受けてのクリニックの予防策

 東京都と隣接3県で2021年1月8日から,新型コロナに対する緊急事態宣言が出された。立花クリニックでも,翌1月9日に,「新型コロナ感染患者急増に対する対策のご協力のお願い」が患者に配布された。そこには,予防対策を徹底するように,次の4点が書かれていた。

  • 毎日の体温測定と健康状態の確認(発熱や咳があるときは,来院前に連絡する)
  • 常時マスクを着用(家庭内感染にも注意)
  • 手洗いの徹底(透析室入室前および帰宅後は必ず手指を石鹸でよく洗う)
  • 待合室での会話を控える。
  • 不要不急の外出・旅行・会食は控える(特に会食は厳禁)

クリニック内は数十名の患者が大部屋で透析を受け,看護師さんも10数名働いているので,もし一人が罹患すると,数十名の患者や看護師さんらが濃厚接触者となり,クラスターも発生するかもしれない。患者は慢性腎臓病という基礎疾患を持ち,しかも私を含めて高齢の方も多いので,罹患すれば死亡の確率も高いので心配だ。

もしクラスターが発生すれば,透析を受けながら新型コロナの治療も受けられる病院(例えば,国分寺近辺では都立多摩総合医療センター)の病床が不足することは分かりきったことであるし,患者を他の病院に移送したくても,他の病院も受け入れの余裕はないであろう。また,看護師さんも罹患すれば,透析作業も滞る。このように,非常に厳しい状況になることは目に見えている。本当に恐ろしいことである。クリニックの医師の先生も新型コロナ予防に神経を研がらせておられると思う。自分も予防により気を配りたいと思う。

(2021.01.17記)