慢性腎臓病闘病記【6】-新型コロナワクチンの接種と副反応

<2021.06.13, 2022.02.07記>

6-1. やっと来た新型コロナワクチンの接種, 6-2. 新型コロナワクチンの副反応

6-1. やっと来た新型コロナワクチンの接種

「ワクチンの接種が遅いなあ」「日本はどうなってしまったのだろう」と思いつつ,日本の医療体制のおかしさについてのマスコミの記事にうなずきながら,じっと我慢の毎日を過ごしていた。

慢性腎臓病は難病に指定されていて,市役所に身体障碍者一級として登録しているので,市役所は患者を把握しているはずである。高齢で慢性腎臓病という基礎疾患を持つ患者は,新型コロナにかかると重篤化し,死亡率も高いとされているので,ワクチン接種をどうして優先してくれないのか,不満と疑問を感じつつ,ワクチン接種を待ち続けていたが,待ちに待った新型コロナワクチンの接種が私の住む国分寺市でもやっと回ってきた。75歳以上の高齢者枠である。

私の新型コロナワクチン接種は,かかりつけの医院(内科,他)で,2021年5/21に1回目,3週間後の6/11に2回目に無事終えることができた。接種は,ファイザー社製のワクチンをシャントがない方の右肩に行った。

この接種の申し込み(国分寺市)は,インターネットで行った。1回目と2回目の接種を同時に申し込んだ(申し込んだつもりであった)が,返事の予約確認メールは2回目の接種のみ受け付けたという内容で,1回目の摂取の予約欄は日付・接種場所はきちんと入っていたが,【特殊】という文字も記されていた。1回目の予約がきちんとなされているか不安に思ったので,市への確認の電話をしようと思ったが,この種の電話は受付されていなかった。そこで,直接,接種場所の医院にいって確認したところ,やはり1回目の摂取は予約されていないことがわかった。しかし,医院の方で,1回目の予約をすぐ確保して下さったので事なきを得た。2回目は,前日に「明日接種です」という予約確認メールも届き,接種も無事おこなうことができた。

問題は,インターネットでの申し込みにおいて,「2回の接種を同時に申しこめます」と注意書きにあったため,入力をいろいろ試みて2回の摂取を同時に申し込んだつもりでいたが,実際は2回目しか予約出来なかったことである。実際は,1回目の予約を完了して予約完了メールを受け取ったのち,新たに2回目の予約をするということであったらしい。「1,2回同時に申しこめます」との注意書きは,誤解を招く不親切さがあったと思う。注意書きは,「1回目の予約を完了して予約完了メールを受け取ったのち,新たに2回目の予約をして下さい」のように書くべきではなかったのではないかと思う。また,予約プログラムも,私のしたような予約方法がなされないように予防措置が施されていてほしかった。

6-2. 新型コロナワクチンの副反応

慢性腎臓病患者の場合,透析直後は「フル・マラソンを走破した時と同じくらいの疲労度がある」と一般に言われている。一方,ワクチン接種会場で配布されたパンフレット「新型コロナワクチンを受けた後の注意点」には,接種日は,「激しい運動は控えるように」と書かれている。

慢性腎臓病という基礎疾患とワクチン接種の副反応の関係は,そのようなニュースを目にしたことが無いので,まだ明らかにされていないのではないかと思う。慢性腎臓病患者は尿が出ないので,透析と透析の間の日には,健常者に較べて,尿毒素がどんどん蓄積しているし,造血ホルモン生成が低下したり,透析に伴う副甲状腺ホルモンの増加など,体の複雑な機能が障害を受けている。これらのことがワクチン接種後の抗体生成にどのような影響を与えているのであろうか? また透析は激しい運動をしたと同等と考えられ,さらに私は花粉症などもあることから,ワクチン接種の副反応が少し心配であった。ただ,ワクチン接種は透析日と透析日の間の1日間に受けたので,「激しい運動」をしたとは言えないかも知れない。

実際のところは,1回目の接種後はワクチンを接種した腕の方が翌日から数日間少し痛む程度で,それが治ると体調が普段よりも良くなってきたように感じられ,副反応はほとんどなかった。2回目の摂取の翌日(透析日)夜に,体温が普段より1度上がって37.3度になり,疲労感もいつもより高く,腕も少し痛んだ。また脈拍も夕方以降105程度で高く(普段は70~80台である),部屋の中で静かに過ごしていても,まるで運動を続けているような状況であった。しかし,翌々日にはこれらの症状もケロッと消失した。もちろん体温も下がって普段通りになった。

個人差はあるであろうが,慢性腎臓病患者も,強いアレルギーがない限り,新型コロナワクチン接種の副作用をあまり心配しなくてよさそうである。

もう1点,気になることがある。

第1回目のワクチン接種(5月21日)の約半月後の6月8日に,透析を受けているクリニックで,定例の血液検査があった。このときの検査は,クレアチニンや血液尿素窒素などの値も測定する2ヶ月に一度の詳細な検査であった。この時の血液尿素窒素(BUN)の値は,87.2mg/dLとめずらしく高くなった。以前のブログ「慢性腎臓病闘病記(3)-回復へのかすかな期待,38 血液検査結果(Cr, BUN)の変遷-データの追加」の中で述べたが,BUNは2018年3月の透析開始以降,一貫して減少を続け,当初(2018 3/20)に82.0 mg/dLであったが,最近(2021 4月,5月)では72mg/dL程度まで下がってきていた。

この血液検査の直前の食事内容は,特に蛋白質の多い食事を摂っていたわけでもないので,BUN値の上昇は不思議なことである。これに対して管理栄養士さんは,「たくさん食べれている証拠ですね」とおっしゃっておられた。慢性腎臓病患者は,食が細くなる方が多いので,食事を十分に摂れないことの方が心配なのだ。しかし,私はBUNの下降に期待していたこともあって,この上昇にがっかりすると同時に,管理栄養士さんの説明には納得がいかなかった。これは,ワクチン接種の影響ではないかと勝手な想像を巡らせている。体が抗体を作る際に,蛋白質をいつもよりも多く分解したせいではないかと思う。

(2021.06.13 記,06.14 修正)

【追記】

2022年2月2日,第3回目の新型コロナ・ワクチンを近くの医院で接種して頂いた。医院には早朝から御年配の方々が押し寄せていた。

私の場合,ワクチンは1,2回の接種ともファイザー社製であったので,3回目の接種もファイザー社製を希望していた。国分寺市の場合,ファイザー社製かモデルナ社製かどちらかを選べるということであったが,インターネット予約サイトで,いざ申し込みをしたところ,自働的にモデルナ社製になってしまったので,やむを得ずモデルナ社製のワクチンの接種となった。

副反応については,接種当日,接種から数時間後に接種したところの筋肉が少し痛み始めたが,この痛みも2,3日で消えた。また,体温は,翌日,平熱の最高値36.6度から0.7度上がったが,翌々日以降は0.3度程度の上昇にとどまり,4日目には通常に戻った。脈拍も大きな変化は無かった,

このように,私の場合には,副反応はほとんど無かったと言える。

(2022.02.07 記)