不思議な夢-飛んだ魂(2) ナイアガラの滝
1989年の夏,1ヶ月後に私用でBOSTONにゆく予定がたった。
有給休暇を利用して家族でゆくことにした。久々の家族旅行なので,ついでにナイアガラの滝でも見にゆきたいと思った。そこにゆくかどうかは現地についてから私用のはかどり具合をみてから,考えることにした。
その半月ほど後のある晩に,陽光がさんさんと降り注ぐ午後のような明るい開けた光景がパツと夢にでてきた。虹がかかっていたようだ。また胸が息が出来なくなるような感じを覚えて眼が覚めた。
何についての夢であるか皆目見当もつかず,妙な夢だなあと思ったが,すぐ忘れてしまった。
さらに半月ほどたってから,米国へ旅たち,BOSTONからナイアガラの滝を家族で見に行った。滝へはレンタカーを借りて行った。BOSTONを朝出発し,ひたすら北西へ走っていったが,途中で暗くなってしまった。途中でホテルを捜したが,夏休み期間中で旅行者が多く,どこも一杯で泊まれない。そのうち,あたりは真っ暗になってしまったが,やっと民宿の看板をみつけ,そこに泊まった。翌日正午近くにナイアガラの滝に到着した。
滝に続く道路には,確か橋があったと思う。そこからみた滝と反対側の河の景色は,とても明るい開けた景色で,虹がかかっていたように思う。
昼食後に船で滝を観光することにした。観光船はかなり大きな船だ。観光客は皆カッパを着せられて滝壺へ向かった。滝壺に近づくと,物凄い水しぶきで,視界はゼロだ。2人の娘や妻達が大丈夫なのか様子を見る余裕もない。水しぶきで水中にいるようだ。窒息するような息苦しさを感じた。
【写真】ナイアガラの滝遠景
【写真】ナイアガラの滝
【写真】観光船の上から(皆びしょぬれ)
後で,橋からみた風景や船で滝壺までいって感じた息苦しさなどは,こちらへ出かける半月程前にみた夢と同じだったと気づいた。
それにしても,行く前は船があることや船にのることなど夢想もしていなかったのに,滝の水しぶきで感じた息苦しさまで夢にみるとは,なんとも不思議な体験であった。まるで,魂が事前にナイアガラまで飛んでいって,しかも少し未来の体験まで感覚付きで見せてくれたようだ。
おみやげにナイアガラの滝の小さなミニチュアを買った。帰国後よく見るとそこには,虹が描かれていた。