本ブログのロゴマーク

太陽と私-ロゴマークの由来

太陽については,いろいろなことを思い出す。

小学生3年生頃、担任の先生が持っていた本で,水素のα線でとらえた太陽像をみて,現実と全く異なるその様相にびっくりした。その像は,肉眼で見える太陽と異なって,ガスが渦巻くすさまじい太陽の表面像であったと思う。

私が大学3年のとき,学大の甲斐先生(当時は地学教室の助手)が物理科の学生に量子力学のゼミをやろうということで,シッフの量子力学を読んだことがあった。私は先生から御自宅にも招待され,友人と訪ねたことがある。甲斐先生は,太陽光の円偏光を研究なさっておられた。学大から東大へお戻りになり,オーストラリアの天文台に研究にゆかれ、帰国後おしくも若くして腎臓病で他界された。奇しくも,小生も同じ病に見舞われてしまった。現在は腎臓病に対する医療技術も当時と比べて随分と進歩しているので,甲斐先生がもし現在に生きておられるなら,もっと研究を進められたと思うと残念でなら

 

 

 

ない。夭折は,ご本人もさぞ御無念であったと思う。御冥福をお祈り申し上げます。

若いころ、私は核融合の研究に携わっていたので、当然、太陽の中の核融合反応について知るために、ベーテの太陽エネルギーが核融合で発生することを明らかにした論文を探して、その短さに驚いたことがあった。この業績は確かノーベル賞を授与されたと思う。

このベーテの論文は,人生でもっとも衝撃を受けたものの一つだ。短い論文であった。ノーベル賞を受賞したリー・ヤン・ウーの原子核のベータ崩壊の非等方性(パリティ非保存)の論文も短くて驚いた。確か1ページ半くらいだったと思う。ベーテの論文も1ページに満たなかったと思う(その論文は自宅には見あたらない)。ベーテがそのことを発見したプロセスは論文には書かれていなかった(科学論文はそういうものである)ので,余計,そのことをよく明らかにしたものであると驚いた。

ちなみに,人生で衝撃を受けたことは,ベーテの論文を見た時と,キューバ危機の二つだ。キューバ危機では,核戦争が起こるのではないかとハラハラした。学生時代だったと思う。日本の受けた災厄が再現されてしまうのでないかとハラハラした。

2年前,慢性腎臓病で入院中,6階建ての病院の最上階の病室からみた太陽はギラギラしてすさまじく思えた。その太陽が天空を横切ってゆく様は,まるでエジプト神話かなにかにでてくる天翔ける太陽神が船に乗って天空を旅しているように思えて感激した。

何年か前に,テレビでフランスのクルーがとらえた砂漠の太陽をみたが,コロナがはっきり映っていて,その撮影技術とコロナが広がる姿にびっくりした。コロナは肉眼では見えない。その時の印象から,ロゴマークをつくった。

たまたま本年春は新型コロナウイルスが世界中に蔓延しているが,このロゴマークは,それとは無関係である。

2020年4月記